領域8(強相関電子系分野)ホームページ

2005年秋季大会(同志社大学-京田辺キャンパス、2005年9月19日-22日)議事録

開催日時:9月21日18:00−
場所:YF

○プログラム委員会等報告
*シンポジウム、招待講演について報告
・ シンポジウム:
  Bドープダイヤモンドの超伝導と電子状態
  テラヘルツ発振とその応用:固有ジョセフソン磁束系のダイナミックスの急展開
  重い電子系の新奇超伝導状態

・招待講演:
  佐藤宇史氏 東北大院理 
  「高温超伝導体の超高分解能光電子分光の現状:準粒子と発現機構」(領域8,5)
  辻井直人氏 物質・材料研究機構 
  「軌道縮退を有する重い電子系のGrand Kadowaki-Woods則」(領域8)
  花栗哲郎氏 理研 
  「高温超伝導体におけるチェッカーボード状電荷秩序」(領域8)
  Munetaka Taguchi 氏  RIKEN/SPring-8                                                                                            
     「Hard x-ray core-level photoemission spectroscopy for strongly correlated systems」 
(領域5,8) 
  川畑史郎氏 産総研ナノテクノロジー研究部門 
  「高温超伝導体における巨視的量子トンネル現象の理論」 (領域4,6,8,11)
  猪股邦宏氏 理化学研究所 
  「Bi-2212固有ジョセフソン接合における巨視的トンネル現象」(領域4,6,8,11)
  矢持秀起氏 京大低物センター 
  「自己凝縮能の消失と特異な転移現象の発現」(領域7,5,8)
  腰原伸也氏 東工大物質科学 
  「1/4フィルド電荷秩序系における超高速光誘起相転移の検証」(領域7,5,8)

*シンポジウムと招待講演の領域8からの推薦順位付けについて。
これまでは、各世話人が数人の研究者(世話人も含む)に匿名でコメントと採点をして
もらい、それを集計して推薦順位を付けていた。しかし、この方法ではコメントは推
薦の順位付けにはあまり反映されていない。(匿名で行っているために、誰のコメント
か不明であることが一因である。)次回からは、世話人が周囲の人の意見を聞き、それ
らを元に世話人のみが責任を持ってコメントと採点を行い、その後に議論、順位付け
を行う。

* シンポジウムと招待講演の公募段階でのルールについて。
今回、幾つかのシンポジウムが提案の段階で物理学会内の提案のルールに従っておら
ず、プログラム小委員会/領域委員会での承認後に修正を求められた。次回の第61回
年次大会に関しては、提案を行う際の注意事項は下のとおりである。公募の段階でこ
の注意事項に従っていない提案は採択されないこともあるので、提案者にはこれらの
事項に関して注意してもらい、公募段階で完成度の高い提案を要求する。公募のアナ
ウンスの段階で、これらの事項について注意を喚起する。更に、公募締め切り前に世
話人が確認を行う。
シンポジウムに関しては、特に下の5.の事項が守られていないことが多いので、注意
してもらう。また、複数のシンポジウムにまたがり同一の研究者が複数のシンポジウ
ム講演を行うことは出来ない。これは複数の領域のシンポジウム間でも同じである。

・ 物性領域のシンポジウム、招待講演・企画講演を提案する上での注意事項
(http://w6.gakkai-web.net/jps/sympo_web/index.html を参照のこと)
1.シンポジウム、招待講演での登壇は一回とする。
2.シンポジウム講演は半日3.5時間程度とし、4時間を超える物は短くするように努
力する。
3.講演概要集の原稿は2枚とする。
4.招待講演・企画講演で提案者と講演者が同一の提案書(自分の講演の提案)は審査
の対象としないことがある。
5.シンポジウムにおいては、講演者の所属が偏らないように配慮する。一つのシンポ
ジウムで同じ研究機関(学科など)から2名以上の講演者を呼ぶことは認められない。
6.複数の共同研究者がいる講演の場合でも、シンポジウム、招待講演・企画講演とも
にプログラムに載せる研究者名は登壇者の名前のみとする。
7.シンポジウムの座長に提案者が加わって頂くこととする。提案者が座長になること
によってシンポジウムの参加人数、報告等に責任を持って行うこととする。(プログ
ラムの編集の際に、世話人が座長に提案者を指名する。)
8.見込まれる聴講者数、希望日程を必ず記入すること。
9.登壇者の会員番号(非会員の場合はその旨を記入)と電子メールアドレスを必ず記
入すること。未記入の場合は採択されないことがある。
10.前回の学会とあまり内容が変わらない招待講演・企画講演並びにシンポジウムは採
択されないことがある。

*次回の第61回年次大会のシンポジウムの応募について
応募数は春の学会は少なく、秋が多めに応募される傾向がある。シンポジウムに関し
ては領域8で2−3件採択可能(但し会場の大きさに依存します。)なので、世話人が
周りに呼びかけて応募数を増やすように努力する。第61回年次大会のシンポジウムの
申込締切は10月末日となっている。

○論文賞について
推薦数が少ないので、世話人が働きかける必要がある。学会へ推薦する論文を絞る際、
早めに領域代表、世話人の間で話し合いを行う。

○領域代表、副代表及び世話人の承認、紹介
* 新領域代表の紹介  
  倉本義夫氏(東北大理) (任期:05年10月-06年 9月)
* 新領域副代表の紹介 
  前野悦輝氏(京都大理) (任期:05年10月-06年 9月)
  〔次期領域代表(任期:06年10月-07年 9月)〕

*新世話人の紹介(任期:05年10月-06年9月)
   稲田佳彦氏(岡大教育)の後任   梅原出氏(横国大工):磁性
   西嵜照和氏(東北大金研)の後任  町田昌彦氏(原研計科技セ):低温
   柏谷聡氏(産総研)の後任     溝川貴司氏(東大新領域):低温

*次期世話人の承認(任期:06年5月-07年4月)
   梅尾和則氏(広大先端物質)の後任      寺嶋太一氏(物材機構):磁性
  武藤哲也氏(島根大総合理工)の後任  渡辺真仁氏(東大物性研):磁性
  池田浩章氏(京大理)の後任      有田亮太郎氏(東大理):低温
  宮坂茂樹氏(東大工)の後任      奥田哲治氏(鹿児島大理工):低温

○仕事分担
  世話人の代表責任者:宮坂茂樹
  HP管理: 武藤哲也氏
  ML管理: 楠瀬博明氏(東北大理)
  ML登録承認:武藤哲也氏
  議事録: 宮坂茂樹

○プログラム編集
* シンポジウムの世話人担当者の決定について
今回、プログラム決定後にシンポジウムの開始時間に間違いがあることが判明した。
次回年次大会では、プログラム編集会議時に各シンポジウムに関して世話人の担当者
を決定する。この担当世話人を中心に、プログラム編集会議時と校正段階で確認を行
う。

* フラストレーションのセッションの領域3との重複について
現行のまま、プログラム編集会議時に領域3の世話人との間でセッションの日時が重
ならないように調整を行う。将来的には、フラストレーションのセッションだけでは
なく、領域3と領域8との間で全セッションに関して見直しが必要と思われる。今後、
プログラム小委員会/領域委員会で提案を行っていく。

* 英語講演について
現行のとおり、英語セッションは領域8では作らず、一般講演セッションの中に英語
講演を組み込む。この際に、講演時間は他の一般講演と同じく15分(質疑応答時間込
み)とする。

○参加登録
*登録時のキーワード
現時点でのキーワードは下のようになっている。
・第一キーワード(研究分野)
(1) 遷移金属系
(2) 炭化・硼化物、有機物系
(3) 希土類・アクチナイド系
(4) 磁束量子系
(5) その他
・第二キーワード(対象物質)
(21) 銅酸化物
(22) ルテニウム酸化物
(23) マンガン酸化物
(24) コバルト酸化物
(25) パイロクロア・スピネル酸化物
(26) 炭化・硼化物
(27) 有機物
(28) スクッテルダイト化合物
(29) 希土類化合物
(30) アクチナイド化合物
(31) その他

○若手を対象とした物理学会の賞の新設
*日本物理学会からの要請について
以下のような若手を対象とした物理学会の賞の新設に関して領域代表から説明があっ
た。
「ご存じのように、物理学会には長らく賞というものはなく、10年ほど前当時の伊
達会長の強いイニシアテイブによって論文賞が創設されました。しかしなお、物理学
分野は他の分野とくらべ、賞が少なく、物理分野の研究者は、特に若い研究者は、い
ろんな面で不利益を被っているのではないかと思われます。そこで、理事会では、ま
ず、何らかの若手を対象とする賞を創ることが緊急であろうと考えています。すでに
コミュニテイで若手対象の賞を創設した分野も多数ありますし、まったく議論されて
いない分野もあります。分野によって賞に対する考え方も異なっているかと思います
が、今後の理事会における議論の参考に、物理学の各分野の意見を求めたく存じます。
例えば、以下の事項が考えられます。
1)賞の種類、 例えば論文賞としてか、業績に対しての賞か、学会年次大会、秋季
大会発表の賞かなど。
2) 対象とする年齢の上限。 
3)賞を出す年間回数、1回あたりの受賞人数。
4)選考方法。どのような分野区分をして選考するか、現在の領域でよいか。選考委
員の選定など。
5)表彰状のみか、副賞を考えるか。
6)他の若手賞との関係など。」

* インフォーマルミーティング時の議論、結論について
1) 新設の賞には賛成である。
2) 対象とする年齢に関して。学位取得後まもない若手研究者や学生を対象とすると、
その研究がどこまでその人独自の研究であるか否かがわからず、評価が困難である。
そこで、対象としては学位取得後10年程度の研究者、助手や若手の助教授などの
年齢層の研究者を対象としてはどうか。
3) 受賞人数に関して。素粒子などの領域に比べ物性は領域が大きく、仮に各領域とも
に受賞人数を一律とすると不公平ではないか。領域の大きさを考慮して受賞人数を
決定してはどうか。
4) 選考方法に関して。主な推薦母体としては、物性分野の各領域が考えられるが,賞
の選考にあたっては,これとは独立した委員会が行った方が良い。